「週末起業」は、経営コンサルタントの藤井孝一さんがその著書で使った言葉です。
2003年8月に筑摩書房から出版されました。
新書です。
もっと前から誰かが使っていたかもしれませんが、藤井さんの「週末起業」は売れましたから流行らせたのは藤井さんと言って良いでしょう。

アマゾンで藤井さんの著作を見ると、「週末起業」と言うキーワードが入った本のタイトルが何冊もあります。
ご本人曰く「週末起業で有名になってしまったため、出版社はどうしてもそのテーマで書いて欲しいと言ってくる」とのことでした。
私も技術士を取る前からこの本は読んでいました。
私の場合、技術士も独立・開業したくて取得しましたから「週末起業」を目指していたわけではありません。
ただ、一時的には「週末起業」になるかもしれないと思っていただけです。

結果的に約1年間は「週末起業」でした。
その後、運良く完全な独立を果たすことができました。
しかし、全ての技術士がそうである必要はありません。

試験対策講座を受講して下さった方の中にも「定年後は、技術士の資格を活かして、働きたい」と仰る方もいました。
また、「定年後も、現在の会社と契約できるし、副業的な働き方を考えて技術士を取るつもりです」と言う方もいました。
本来の技術士は、「科学技術の向上と、国民経済の発展に資する」ためにある資格ですからそれができれば形式はなんでもよいとも言えます。それよりもっと重要なことがあるのです。

私は現在、産業振興公社さんの仕事もお手伝いしています。
公社に行くと、「コーディネーター」の肩書きを持った技術士さんに出会います。
皆さん、わりと高齢です。(私も高齢ではありますがまだ年金を貰うことができる年齢ではありません)

おそらく、年金を貰いながら産業振興公社でアルバイトをしているのだと思います。
時給は1500円~1800円ぐらいです。(多分)
まあ、仕事は楽だし。遊んでいる訳ではありません。
これまでの、経験と人脈を活かしてAと言う需要とBという供給を繋ぐことができれば良いのです。

おそらくどの都道府県の公社にも同じような人がいるでしょう。
技術士は高齢の方が多いですから、資格を活かしてバリバリ働くより身体によいのかもしれません。
100%の独立・開業でなくても良いのです。
しかし、一つだけ覚えておいて下さい。

公社などでコーディネーターとして業務を行うのは技術士である必要はありません。
名刺に「技術士」と記載できますからなんとなく箔が付くだけです。
コーディネーターは、技術士であるより広い人脈がある方が実際の業務の役に立ちます。
それは間違いありません。
そもそも、コーディネーターはAとBをくっつけるだけです。

私も似たようなことを一部行っていますが、原則的にテクニカルアドバイザーとして関わることにしていますので、コーディネーターの仕事は名前だけです。
自分のやりたいことを上手く見つけないとせっかく経験をつんで知識をもっていてもやりたくない仕事で終始してしまうことになります。
独立・開業しようと考えたときはそこから入って下さい。

何が好きで、何ができますか?
あなたのサービスや能力を求めている人は誰ですか?
そこを徹底的に考えて下さい。

「週末起業」が良いか、完全独立が良いのか、そこは考えなくても良いのです。
それは、収入に応じて必然的に決まります。
たいていの人は家族がいるでしょう。
家族のためには収入が必要です。
必要な分は働いて得るしかありません。
「週末起業!格好良い!」ではすまないのです。

そんなことより何をするのか、何が独立の元になるのか、そこを考えて始めましょう。