前回、「定年後の独立」のことを書きました。

これについてもう少し書いておきます。

水に突き落とされるとビックリして溺れることがあります。
上手く泳ぐには自分から飛び込んだ方が良いのです。

「あなたにとって仕事とは何ですか?」

エンジニアの仕事は、製品や工法、手法・サービスに関する発明です。
ただし、エンジニア人生を満喫するためにはそこに生きがいを感じるかどうかにあります。
発明することに生きがいを感じないのであれば、その人はエンジニアの人生を歩まない方が良いと思います。

「仕事とは自分の能力や興味、価値観を表現するものである。
そうでなければ、仕事は退屈で無意味なものになってしまう。」

これは、ドナルド・E・スーパー(アメリカの心理学者)と言う人の言葉です。
キャリアカウンセリングの講習ではたいてい出てくる言葉ですからご存知の方も多いでしょう。
私は、拙著の中でも数回紹介しました。
とても気に入っている言葉です。
と言うより、仕事とは何かを質問されたらこの言葉以外に良い説明を思いつきません。

自分の「能力や興味、価値観を表現するもの」それが仕事です。

ドナルド・E・スーパーは、人としての人生を2つの視点から見ています。
それは、「ライフステージ」と「ライフロール」です。
「ライフステージ」は、人生をその成長から老化の段階で5つに分けて考えます。人生には、年齢によって大まかに分けられる5つの段階がある。その段階毎に人としての特定の課題があり、その課題に取り組むことを通じて人間的な成長を遂げていく。
一方、「ライフロール」は、我々が人生の中で持つさまざまな役割(ロール)について言及しています。その役割とは、子(親との関係で)であり、働く人であり、配偶者(結婚相手との関係)であり親(自分の子との関係)であり、と、有るときは複数の役割を同時にこなしながら並行して生きています。
あなたは、いまどんなライフステージにいますか、またどんなライフロールを持っていますか。さらに、これからのどんなステージでどんなロールを持ちたいですか?
これは、自分のキャリアを計画・設計するに当たって重要な考えです。

スーパーは「自己概念」と言う考えを中核に思考を展開しています。ようするに「自分は何者か?」、「自分はどういう存在であるか?」といった自己イメージのことです。
何だか難しそうですが、もっと砕いて言うと、

・自分はどんな仕事をしたいのか
・自分はどんな仕事ができるのか
・自分は仕事において何を大事にしたいのか

と言った「職業的自己概念」と言うものになります。

上の3つなら誰でも一度や二度は考えたことがあると思います。

スーパーは、病気の人や、家庭内の特殊な事情がある人を別にしてたいていの人は、仕事を通じて「自分らしさ」を発揮しようとすると指摘しました。

私もそうだと思います。
自分の能力を活かせていないとき、「これは違う」と感じる。あるいは、自分の興味とかけ離れた業務をしているとき、自分の価値観と異なる仕事をしているときに、人は仕事が面白くないという実感を持つでしょう。

人生のどの段階でも、これは当てはまります。
また、何時でも見直すことができます。

数十年に渡り会社員として働いてきた方は、独立を思ったらここでもう一度、考えて下さい。

「あなたにとって仕事とは何ですか?」