フレームワークを覚えようは、前回お休みしました。

今回から再開します。

私が最初にこれから紹介するフレームワークと書いたのは以下の8個です。

 

1)マトリクス
2)ピラミッドストラクチャー
3)SWOT分析
4)5F
5)PPM (1~3回)
6)ランチェスター戦略
7)PDCA
8)基本戦略の考え

この中で5番目のPPMからご紹介しました。

今回から6番目の「ランチェスター戦略」について簡単にご説明します。
例によって2~3回で紹介することになると思いす。

「ランチェスター戦略」は日本生まれの経営戦略理論です。
経営戦略が苦手と言われる日本では珍しいものです。
ただし、誤解しないで頂きたいのですがランチェスターの法則はその名の通り、英国人だったフレデリック・ランチェスターが考えた戦闘の数理モデルです。これを経営に応用しました。

日本人コンサルタントの草分け的な存在である、故田岡信夫(1927?1984)が考案したと言われています。
まあ大げさではなくこれは事実でしょう。会社の資金力や、体力勝負によらない、科学的・論理的な経営戦略が求められたとき、まさに必要に迫られて生み出されました。大雑把に言って、オイルショックのときに考え出された経営戦略です。ランチェスター経営などとも呼ばれています。

(念のため、若い方のためにオイルショックを説明します。「オイル・ショック」は和製英語です。英語圏の人に言っても何のことなのかわかりません。1973年(第1次)と1979年(第2次)に始まった(ピークは1980年)、原油の供給逼迫および原油価格高騰と、それによる世界の経済混乱です。日本は、1954年(昭和29年)12月から1973年(昭和48年)11月までの約19年間高度経済成長を遂げましたが、これを終らせたのが第1次オイルショックです。)

日本で有名どころでは、トヨタ、パナソニック、日本生命、武田薬品工業などが用いていると言われています。
また、ソフトバンクの孫正義氏は、ランチェスター戦略を積極的に使うことで有名です。

元々数理モデルから考案されましたから、ランチェスター戦略にはしっかりした数式のモデルがあります。
考案者である、故田岡信夫の意志を継いだ人たちが「ランチェスター協会」を作って普及活動を行っていますが、そこでしっかり勉強しようとするとどうしてもその数理モデルを学ぶ必要があります。と言っても普通の確率論ですから、特別な高等数学ではありません。高校の数Ⅲ程度で十分です。

しかし、この経営戦略が広く受け入れられたのは裏付けとなる数理モデルを理解しなくても十分に実践で活用できるところにあります。数理モデルを理解すればなお良いと思いますが、知らなくても使えるのです。

ランチェスター戦略では、市場でシェア1位の企業を強者と呼びます。また、2位以下の企業は全て弱者と呼びます。この呼び方が気に入らない人もいるよで、「なんで、俺が弱者なんだ!」と拒絶する訳です。でも、いちいち、「市場で2位以下の企業」と書くより、「弱者」の方が簡単です。そんな呼び名のことで拒絶反応を起こすのは馬鹿げています。単なる名前ですから受け入れましょう。

そして、ランチェスター戦略では、強者の戦略と弱者の戦略を分けて説明しています。ようするに「業界1位と同じことをやってはいけない」と言うことです。カルロス・ゴーン氏が来る前の日産は、トヨタと同じ戦略を展開して苦境に立たされました。それと同じです。

市場で支配力を持つ、強者は幅広い領域において総力戦を展開すればよいのです。総力戦では、常に物量が多い方が有利になります。

逆に、市場での立場が弱い弱者は、総力戦を挑んではいけません。あくまでゲリラ戦法を行って、局地戦で勝つことを考えます。2万人の兵力を持った今川軍は2千の兵しか持たない織田信長に局地の接近戦でやぶれました。10倍の兵力ですから総力戦では絶対に勝てなかったはずです。

次回は、このランチェスター戦略を理屈の初歩から詳細に説明しましょう。
実は、私もこの方法で個人事業を展開しています。