経営戦略と言う崇高な話の前に、技術士が独立開業するときはこの5F分析が役に立ちます。ここまで、以下のフレームワークをご紹介してきました。

1)マトリクス
2)ピラミッドストラクチャー
3)SWOT分析(7回目・8回目)
4)5F
5)PPM:(2回目・3回目)
6)ランチェスター戦略(4回目~6回目)
7)PDCA(9回目・10回目)
8)基本戦略の考え

まあ、1回1000文字程度、それを2回で1項目ですからそれほど詳しく説明できません。
とは言え、その触りぐらいは理解して頂けるとかとも思います。

もし、興味を持って頂ければそこから先はご自身で詳細に学んで頂ければ私の役目は十分でしょう。
技術士にとって必要な「継続研鑽」の一部です。

それで、今回と次回ですが「5F」についてご説明します。
これも非常に有名なフレームワークですが、誤解も多いようです。

業界の収益性を決める5つの競争要因(後述)から、業界の構造分析を行うフレームワークが5フォースです。
業界を5つの競争要因(Five force)でモデル化し、その5つの要因について分析することでその業界の収益性や魅力度を明らかにします。

その競争要因である5フォースをざっくりまとめると、

・新規参入業者
・代替品(間接競合)
・供給業者
・買い手(顧客)
・ 競争業者(直接競合)

です。さらに図式化すると以下のようになります。

「5F分析 フリー画像」の画像検索結果

この5つの要因は、ハーバード・ビジネススクールのマイケル・E・ポーター教授によつて開発されたもので、『競争の戦略』(日本語訳版1995年3月初版)で広く学会やビジネス界に知れ渡りました。

もう少しブレイクダウンして言うと

参入を検討している業界の魅力度を知る
業界の魅力度を上げたり維持したりするための方策を探る
自社の強みが活かせそうな業界セグメントを探したり、または「業界」の再定義を行う

こんなことを行う際に使用します。
いつでもどこでも使えるモノではありません。
ただ、新規事業への参入というリスクの高いプロジェクトを開始するときはとても有効な方法ですから覚えておいて損はありません。
その業界内での企業戦略を策定するに当たつては、まず、その企業や事業の属する業界の競争要因を分析し、その上で自社のポジショニングを決定することが必要だとされています。

マイケル・ポーター教授は「差別化戦略」の第一人者と言って良いでしょう。
そのマイケル・ポーターさんは、企業が競争優位を築く戦略は3つあると言いました。1つ目は「差別化」、2つ目に「コスト面でのリーダーシップ」、そして3つ目が「集中」です。
企業のとりうる戦略は、この3つしかない。しかも、これらのうち選べるのは必ず1つだけ。
2つ以上を選んで実施すると戦略が曖昧になり続かない、また、どれか1つについても戦略が立てられない企業は間違いなく低収益になる、と断言しています。

この単純明快な戦略論は1980年代、日本企業に苦しめられたアメリカ企業にとって、救いの手になりました。
ポーター先生も一気に有名になりました。

なにしろ、この理論によれば企業は戦略策定に悩むことがありません。
だって、この3つの中から選べば良いのです。
こんな楽で簡単な話はないではありませんか?

1980年当時は、企業の経営戦略なんて経験と勘の世界でしたから、理論的な説明のあるポーター理論は斬新で科学的に見えたのです。

しかし、現実にはそう簡単に行きませんでした。
それは、次回ご説明しましょう。